転職などで会社を辞めるとき、社内の手続きだけでなく、退職後に自分で進める手続きの把握も欠かせません。
すぐ転職する方以外は、健康保険や年金、税金など自分でおこなう必要がある手続きもあります。
退職前後のやることや期限、必要書類の流れを整理したので、ご自分の状況に当てはめてスムーズな退職にお役立てください。
退職手続きのチェックリスト
退職にともなう手続きは、社内手続きと、退職後に自分でおこなう手続きに分かれます。健康保険や年金などの退職後の手続きは、役所、ハローワーク、健康保険の窓口、税務署と行き先が分かれます。
退職前後のやること一覧と期限
退職前から退職後までの主な流れは次のとおりです。
- 退職の意思表示(退職の1〜3か月前)
- 退職届の提出(退職日の1か月前、遅くとも2週間前まで)
- 業務の引き継ぎとあいさつ(最終出社日の3日前までに引き継ぎを完了)
- 有給休暇の消化と最終出社日の決定
- 会社への貸与品返却(資格確認書など)と書類の受け取り(退職金を受け取る人は「退職所得の受給に関する申告書」も提出)
- 健康保険の切り替え(国民健康保険は退職日の翌日から14日以内、任意継続は退職日の翌日から20日以内、家族の扶養は5日以内)
- 国民年金への加入(退職日の翌日から14日以内)
- 雇用保険の基本手当(失業保険)の受給手続き(離職票が届いたら早めに。受け取れる期間は退職日の翌日から1年間)
- 企業型確定拠出年金の移換(加入者の資格を失ってから6か月以内)
- 住民税の支払い(納付書に書かれた期限)
- 所得税の確定申告(年内に再就職しない人は翌年1月から)
なお、退職後に自分でおこなう手続きは、転職先が決まっているかどうかによって不要になるものがあります。

転職先が決まっている場合・決まっていない場合
退職日の翌日に転職先へ入社する場合、健康保険や年金の手続きを転職先がおこなうため、自分で役所へ行く必要はありません。転職先にはマイナンバーか基礎年金番号、雇用保険被保険者証、源泉徴収票を提出します。
退職日の翌日から入社日までが1日でも空く人や転職先が決まっていない人は、健康保険の切り替えと国民年金への加入を自分でおこないます。例えば、11月18日に退職し12月1日に入社する人も手続きが必要です。
失業保険の手続きが要るのは、転職先が決まっていない人です。住民税は、目安として退職から1か月以内に入社する人は転職先の給与からの天引きを続けられ、それ以外の人は自分で納める分が出ることがあります。確定申告は、年内に入社する人は転職先の年末調整で済みます。年内に入社しない人は、確定申告をすると払いすぎた所得税が戻ることがあります。


退職までの手続きの流れ
会社を辞めると決めたら、まずは社内手続きの流れや退職の決まりを就業規則で確かめましょう。有給休暇を消化する場合は、最終出社日のあとも退職日まで在籍が続くため、最終出社日と退職日は別の日になります。
退職の意思表示
退職を決めたら、最初に伝える相手は直属の上司とし、口頭で伝えるのが一般的です。伝える時期の目安は退職の1〜3か月前と幅があり、就業規則でも1〜2か月前までの申し出を定めている会社が多く見られます。会社が早めの申し出を求めるのは、後任の手配や業務の引き継ぎに時間がかかるためです。退職届や退職願を書面で出す前に、まずは上司と相談して退職日を決めましょう。
なお、期間の定めのない雇用なら、会社に引き止められた場合でも、退職の意思表示が伝わった日の翌日から14日が過ぎると、法律上は退職が成立します。会社とのやり取りで困ったときは、労働局や労働基準監督署にある総合労働相談コーナーに無料で相談できます。
退職届の提出
退職届を出す時期の目安は退職日の1か月前、遅くとも2週間前までです。退職願は退職を願い出る書類で会社の承諾前なら撤回できますが、退職届は退職を通告する書類で会社に届くと原則として撤回できません。どちらを出すかは社内の決まりや上司の指示に従います。期間の定めのない雇用なら、会社が承諾しなくても、申し出た日の翌日から14日が過ぎると法律上は退職できますが、もめごとを避けるため就業規則どおりの時期に申し出ましょう。
書く内容は氏名、提出日、提出先、退職日、退職理由です。会社指定の書式があれば使い、なければ自分で用意して手元に写しを残します。自己都合なら理由は「一身上の都合」としますが、会社都合の退職では原則出しません。提出を求められても「一身上の都合」とは書かず、部門の縮小や退職勧奨など実際の理由を書きます。「一身上の都合」と書くと自己都合扱いになり、雇用保険の基本手当(失業保険)の支給開始が遅れるなど不利になることがあります。
業務の引き継ぎとあいさつ
業務の引き継ぎは、最終出社日から逆算してスケジュールを立てます。不測の事態があっても対応できるよう、最終出社日の3日前を締め切りにして完了させると安心です。区切りのよいところまでは自分で担当し、持ち越す案件は経緯や今後の予定を明確に伝えます。日々の業務の進め方や顧客への対応、資料の置き場所を一覧にした引き継ぎ資料を作成し、上司や後任と共有しましょう。
取引先へのあいさつは、退職日の2〜3週間前におこなうのが一般的です。ただし、退職日まで社外に知らせない慣例の会社もあるため、あらかじめ上司に確かめてから動きます。直接会えない相手に対しては、メールであいさつを伝えるようにしましょう。
有給消化と最終出社日
有給休暇が残っている場合は、消化し終えるまで給与を受けながら休めます。残りの有給休暇を消化してから退職日を迎えるのが一般的で、たとえば残りが10日なら退職日の10営業日前を最終出社日とします。最終出社日は、退職届を出したあとに会社と調整しましょう。
最終出社日は、社内へのあいさつのほか、備品の返却や書類の受け取りが中心になります。前日までに机やロッカーの私物を整理し、会社に返すものをまとめておくと安心です。有給消化中に退職日が来る場合、退職日まで使うものは郵送で会社へ返却します。
退職時に返却するもの・受け取る書類
退職時に受け取る書類は、退職後の手続きや転職先への提出で使います。
会社に返却するもの
退職時には、会社から借りたもの、社員であることを示すもの、会社の費用で買ったものは、ペン1本、名刺1枚でも返します。出張旅費や立て替えた経費は退職日までに精算し、会社のシステムのIDやパスワードの扱いは会社ごとに違うため、確かめて対応しましょう。
会社に返却するものは次のとおりです。
- 健康保険の資格確認書
- 社員証、社章、名刺
- 制服、作業着、鍵
- パソコン、モニター、携帯電話
- 業務の資料、マニュアル、作成物、データ(機密情報が入った書類や機器)
マイナ保険証を登録しておらず、交付を受けている人が返却します。扶養している家族の分も返します。従来の健康保険証は、2024年12月2日に新規発行が終わり、経過措置も2025年12月1日で終わっています。なお、マイナ保険証だけを使っている人は、健康保険について返すものはありません。資格確認書が使えるのは最終出社日ではなく退職日までで、退職日の翌日からは使えません。有給休暇の消化などで退職日まで使う場合は、退職日を過ぎたあとに郵送で返します。
会社から受け取る書類
会社から受け取る書類と、それぞれの使い道、出す先は次のとおりです。
| 書類 | 何に使うか | 出す先 |
|---|---|---|
| 離職票 | 雇用保険の基本手当(失業保険)の手続き | ハローワーク |
| 雇用保険被保険者証 | 雇用保険の加入手続き | 転職先 |
| 源泉徴収票 | 年末調整、または確定申告 | 転職先 |
| 健康保険資格喪失証明書 | 健康保険や年金、扶養の手続き | 役所、協会けんぽ・健康保険組合、家族の勤め先 |
| 年金手帳か基礎年金番号通知書 | 基礎年金番号の確認 | 転職先、役所 |
| 退職証明書(希望者) | 退職した事実の証明 | 転職先など |
離職票は失業保険を受ける人が事前に会社へ頼みます。健康保険資格喪失証明書や退職証明書も、依頼しないと発行されない場合があります。年金手帳は2022年4月に新規発行が停止され、会社が預かっていた人のみ受け取ります。
書類が届かないとき
離職票は退職後10日〜2週間、源泉徴収票は1か月以内に届きます。離職票は、2025年1月から、会社が電子申請で離職の手続きをした場合などは、マイナポータルでも受け取れるようになりました。
離職票は、会社が退職日の翌々日から10日以内にハローワークへ届け出たあとに発行されます。この時期を過ぎても届かなければ会社へ確認し、催促しても届かないときは本人確認書類と退職がわかる書類を持ってハローワークへ相談しましょう。
源泉徴収票は元の勤め先に問い合わせます。退職証明書は請求すれば交付義務があります(労働基準法第22条)。健康保険資格喪失証明書は、協会けんぽに加入していた人なら年金事務所で本人申請できます。郵送に備え送り先住所を会社へ伝えておきましょう。
退職後に必要な手続き
退職後に必要となる手続きは、退職後の進路や入社時期によって大きく異なります。退職日の翌日に転職先へ入社する人は、健康保険や厚生年金などの手続きの多くを転職先が進めてくれるため、自分で役所へ出向く手続きは基本的にありません。
一方で、退職日の翌日から転職先の入社日の前日までが1日でも空く人や、転職先が決まっていない人は、健康保険、年金、税金などの手続きを自分でおこなう必要があります。
健康保険の切り替え
誰が手続きするか
会社を退職すると、それまで加入していた会社の健康保険の資格を失います。
退職日の翌日に転職先へ入社する場合は転職先が切り替え手続きをおこないます。マイナ保険証を登録していれば、転職にともなう登録のやり直しも要りません。一方、入社までに1日でも空く人や転職先が決まっていない人は、自分で健康保険の切り替え手続きをおこなう必要があります。入社までの空きが数日などわずかな期間であっても、その間の健康保険に入る手続きは必須です。手続きをしないまま受診すると、病気やけがの医療費が全額自己負担になります。また、扶養していた家族がいる場合、家族も退職日の翌日に会社の健康保険の資格を失うため、家族の分も含めて手続きを進める必要があります。
入り方の比べ方
退職後の健康保険の入り方は、「任意継続」「国民健康保険」「家族の扶養」の3つがあります。それぞれの期限、窓口、保険料の違いは次のとおりです。
| 制度 | 期限 | 窓口 | 保険料 |
|---|---|---|---|
| 任意継続 | 退職日の翌日から20日以内 | 協会けんぽは住所地の都道府県の支部、健康保険組合は加入していた組合 | 在職中に会社と折半だった分も含め全額自己負担。原則2年間変わらない |
| 国民健康保険 | 退職日の翌日から14日以内 | 住んでいる市区町村の役所 | 前年の所得や加入者数で決定(計算方法は市区町村ごとに異なる)。年ごとに変わる |
| 家族の扶養 | 被扶養者になる事実が生じてから5日以内 | 家族の勤め先(勤め先を通じて届け出る) | かからない(被扶養者の保険料負担はなし) |
加入するときの持ち物は次のとおりです。
- 任意継続: 任意継続被保険者資格取得申出書、健康保険資格喪失証明書(または退職を証明できる公的機関発行の書類)
- 国民健康保険: 健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
- 家族の扶養: 健康保険被扶養者(異動)届、健康保険資格喪失証明書、続柄を確認できる書類(戸籍謄本・抄本や住民票の写し)、収入を確認できる書類
加入条件として、任意継続は退職前に2か月以上の被保険者期間が必要です(最長2年間加入可能)。家族の扶養に入る場合は、年収130万円未満(60歳以上は180万円未満)であることが条件です。あわせて、同居の場合は被保険者の年収の半分未満、別居の場合は仕送り額未満であることも要ります。対象となる親族は、配偶者、子、孫、兄弟姉妹、父母や祖父母などです。
保険料の計算方法は制度ごとに異なります。任意継続は、退職時の標準報酬月額に保険料率を掛けて算出されますが、協会けんぽの場合は標準報酬月額の上限が32万円と定められています。例えば標準報酬月額44万円、保険料率10%の人であれば、上限の32万円で計算されて月3万2,000円となります。一方、国民健康保険は前年の所得をもとに計算されるため、退職の翌年は年50万円を超えることがある一方、収入がなくなった翌々年は年数万円で済むことがあります。
前年の収入などによっては、任意継続のほうが国民健康保険より保険料を抑えられる場合があります。また、任意継続は家族を被扶養者にできるほか、健康保険組合によっては独自の付加給付を引き続き受けられる点も特徴です。家族の扶養に入れる条件を満たしていれば保険料がかからないため、まずは家族が加入する窓口に条件を確かめてみるとよいでしょう。
加入したあとの手続き
手続きが完了する前に医療機関を受診した場合でも、任意継続であれば退職日の翌日から加入した扱いになります。その間に医療費の全額を自己負担して支払ったときは、後から協会けんぽなどに「療養費支給申請書」を提出することで、保険の負担分が戻ってきます。
国民健康保険に入ったあとで転職先の健康保険へ加入したときは、国民健康保険をやめる届け出が必要です。新しい保険に入った日から14日以内に、自分で市区町村の役所へ出します。この切り替えは自動ではおこなわれないため、忘れずに手続きをおこなってください。
国民年金への加入
公的年金は、20歳以上60歳未満の全員が加入する国民年金と、会社員や公務員が上乗せで加入する厚生年金の2つで構成されています。会社を退職すると厚生年金の資格を失うため、60歳未満で退職日の翌日に入社しない人は国民年金(第1号被保険者)への切り替え手続きが必要です。入社まで1日でも空く人、退職してフリーランスや自営業になる人、しばらく再就職せず配偶者の扶養にも入らない人が対象となります。転職先に社会保険が無い場合も国民年金へ切り替えます。
一方、退職日の翌日に入社する人は、転職先にマイナンバーか基礎年金番号を伝えれば会社が手続きをおこなうため、自分で役所へ行く必要はありません。また、配偶者の扶養に入る人は国民年金の第3号被保険者となるため、配偶者の勤め先を通じて手続きをおこないます。なお、配偶者を扶養していた人が退職した場合は、配偶者も同時に第3号被保険者から外れるため、配偶者の分も市区町村の役所で国民年金の加入手続きをおこなう必要があります。
手続きの期限は、退職日の翌日から14日以内です。窓口は住んでいる市区町村の役所(国民年金課など)または年金事務所で、マイナポータルからの電子申請もおこなえます。必要な持ち物は次のとおりです。
- 基礎年金番号かマイナンバーがわかるもの(基礎年金番号通知書、年金手帳など。年金手帳は2022年4月から新規発行が停止されています)
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 退職日がわかる書類(健康保険資格喪失証明書、離職票など)
退職したのと同じ月のうちに入社する場合でも、国民年金の加入手続き自体は必要です。ただし、その月の末日時点で転職先の厚生年金に加入していれば、その月の国民年金保険料を納める必要はありません。
雇用保険(失業保険)の手続き
退職後に再就職を目指して求職活動をおこなう人は、雇用保険の基本手当(失業保険)を受け取れます。すでに転職先が決まっている人や、就職する意思が無い人は対象になりません。
受給するための条件は、退職の日より前の2年間に、雇用保険の被保険者だった期間が通算12か月以上あることです。ただし、倒産や解雇など会社都合で離職した人は、退職の日より前の1年間に通算6か月以上あれば対象となります。なお、病気やけが、妊娠・出産ですぐに働けない人は受給対象になりませんが、受け取れる期間を延ばす手続きをおこなうことで、最長3年まで延長できます。
手続きは、元の勤め先から離職票が届いてから、住所地を管轄するハローワークでおこないます。必要な持ち物は次のとおりです。
- 離職票(離職票-1、離職票-2)
- マイナンバーが確認できる書類
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
- 写真2枚(縦3.0cm×横2.4cm。マイナンバーカードを提示すれば不要)
ハローワークへ最初に行って求職の申し込みをした日が受給資格決定日となります。その後、雇用保険の説明会に出席し、待期の7日間が過ぎるのを待ちます。認定日にハローワークで失業の認定を受けると、数日後に指定口座へ基本手当が振り込まれ、以降は4週間ごとに認定を受けます。
支給が始まる時期は離職理由によって異なります。倒産や人員整理、解雇などの会社都合退職(ハラスメントなどで会社都合と判断された場合を含む)は、7日間の待期のあとすぐに支給が始まります。一方、本人の事情で辞める自己都合退職のうち、正当な理由がないものには、待期のあとに給付制限期間があります。給付制限の期間は、2025年4月の法改正によって原則1か月に短縮されました。また、職業訓練を受けた場合など条件を満たすと給付制限が外れる制度もあります。
支給される1日あたりの額(基本手当日額)は、退職前6か月の賃金(賞与を除く)の合計を180で割った額のおよそ50〜80%です。賃金が低い人ほど率が高く、60〜64歳は45〜80%です。支給日数は年齢、被保険者だった期間、離職理由で決まり、90〜360日です。失業保険を受け取れる期間は、原則として退職日の翌日から1年間です。
住民税の支払い
住民税は、前の年の1月〜12月の所得に対して課税され、その年の6月から翌年5月にかけて後払いで納める仕組みです。税率は都道府県民税と市町村民税を合わせて10%です。前年の所得が基準となるため、退職して収入がなくなったあとも支払いが続きます。納め方には、給与から天引きされる特別徴収と、納付書で自分で納める普通徴収の2つがあります。
退職後すぐに転職する場合は、退職する会社と転職先の間で手続きをしてもらえば、給与からの天引きを継続できます。目安として退職から1か月以内に転職する場合、市区町村のサイトなどから「給与所得者異動届出書」を入手し、退職する会社に記入してもらって転職先へ提出します。元の会社に頼みにくい場合は、いったん普通徴収にしてから転職先で特別徴収に切り替えることも可能です。
転職先が決まっていない人や、入社までの空きが1か月を超える人は、退職した時期によって納め方が分かれます。
| 退職の時期 | 納め方 | 自分でおこなう手続き |
|---|---|---|
| 1月〜4月 | 5月分までの残りの税額が、最後の給与や退職金からまとめて引かれます。たとえば1月30日に退職すると、2〜5月分も1月の給与や退職金から引かれます。ただし、給与と退職金の合計が住民税の残りより少ないときは普通徴収となります。 | ありません |
| 5月 | 5月分が最後の給与から引かれます。 | ありません |
| 6月〜12月 | 退職月の分までが最後の給与から引かれ、残り(翌年5月分まで)は市区町村から届く納付書で納めます。希望すれば、残りを最後の給与や退職金からまとめて引いてもらうことも可能です。 | 納付書を使って金融機関やコンビニで納めます |
なお、翌年6月の時点でも転職先が決まっていなければ、前年の所得をもとに計算された新年度の住民税も納付書で自分で納めることになります。
所得税の確定申告
所得税は、その年の給与の見込みをもとに毎月の給与から源泉徴収されており、年末に年末調整で正しい税額に精算されます。
年内に転職する人は、転職先に前の会社の源泉徴収票を提出すれば転職先が年末調整をおこなってくれるため、原則として自分で確定申告をする必要はありません。ただし、年末近くに入社して、前の会社の源泉徴収票を転職先の締め切りまでに出せない場合は、年末調整が間に合わないことがあります。転職先に確認し、間に合わなければ自分で確定申告をおこないます。また、年収が2,000万円を超える人や副業所得が年間20万円を超える人は、転職先で年末調整を受けても確定申告が必要です。
一方、年内に再就職しない人や入社が翌年になる人は年末調整を受けられず、納めた所得税が本来より多い状態になっていることがあります。翌年1月1日から5年間のうちに確定申告をすると、払いすぎた税金が戻ります。個人事業主として独立した人は、事業の所得について確定申告をします。住宅ローン控除や医療費控除を受けたい場合も確定申告をおこないます。
申告の時期は、翌年の2月16日〜3月15日です。払いすぎた税金を戻してもらう還付申告は、翌年1月1日からおこなえます。申告義務がある人が期限までに申告しないと、無申告加算税や延滞税がかかる場合があるため注意しましょう。窓口は住所地を管轄する税務署で、e-Taxによる電子申告も利用できます。必要な持ち物は、確定申告書、本人確認書類、源泉徴収票などです。
退職手続きの注意点
退職の時期は社内手続きや届け出が多く時間も限られます。期限や社内制度、お金の備えを確認しておきましょう。
手続きが遅れた場合
国民健康保険は、退職日の翌日から14日以内を過ぎても手続きできます。ただし、やむを得ない理由がある場合を除き、届け出が遅れた間の医療費は全額自己負担となり、保険料は退職日の翌日まで最長2年さかのぼって請求されます。一方、任意継続は退職日の翌日から20日以内の手続きが加入の条件であり、期限を過ぎると、原則として加入できません。
雇用保険の基本手当(失業保険)を受け取れる期間は、原則として退職日の翌日から1年間です。申請が遅れてこの期間を過ぎると、給付日数が残っていても受け取れなくなります。また、納める税金がある人が所得税の確定申告を期限までにしないと、無申告加算税や延滞税がかかります。
退職金や確定拠出年金の手続き
企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入していた人は、転職先に制度があれば移換し、無い場合や加入対象でない場合はiDeCo(個人型確定拠出年金)などへ移します。退職して企業型の加入者の資格を失ってから6か月以内に移す手続きをしないと、国民年金基金連合会へ自動で移され、運用が止まり手数料だけがかかります。
従業員持株会は退会の手続きを行い、保有株を売るか自分名義の証券口座へ移します。また、退職金を受け取る際は「退職所得の受給に関する申告書」を会社に出しましょう。出さないと一律20.42%の所得税が引かれ、確定申告で精算することになります。
退職後の税金や保険料への備え
退職して収入が減ったりなくなったりしても、住民税や健康保険料、国民年金保険料の支払いは続きます。生活費に加え税金や保険料の分も用意し、収入が途切れる期間に備えて生活費の3〜6か月分があると安心です。払うのが難しいときは放置せず、市区町村などの窓口へ早く相談しましょう。国民年金保険料の免除・納付猶予や、国民健康保険料の減免制度があります。
転職先がこれからの方は、退職の手続きと並行して転職エージェントに相談できます。転職エージェントは、求人の紹介から内定までを、キャリアアドバイザーが無料で支援するサービスです。ここでは3社を紹介します。
リクルートエージェント
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応募書類の提出や面接日程の調整は、dodaが代行します。キャリアカウンセリングは、原則としてオンラインか電話でおこないます。
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まとめ
退職の手続きは、最終出社日までの業務の引き継ぎや資格確認書などの返却といった社内手続きにとどまりません。退職日を迎えた後も、健康保険や年金、雇用保険、税金といった各種の手続きを自分でおこなう必要があります。
退職後に必要となる手続きは、転職先が決まっているかどうかや退職後の状況で異なります。退職日の翌日に転職先へ入社する場合は、健康保険と年金の手続きを転職先が進めます。入社まで1日でも空く場合や転職先が決まっていない場合は、健康保険や国民年金の切り替えを自分で進めます。転職先が決まっていない場合は、雇用保険の基本手当(失業保険)の受給手続きもあります。
手続きでわからないことがあれば、勤め先の人事や、市区町村の役所、年金事務所、ハローワーク、健康保険の窓口へ問い合わせれば教えてもらえます。期限を過ぎると受け付けてもらえない場合もあるため、必要な書類を確かめて、早めに動き出しましょう。
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